2010年07月12日 市営大宮球場

浦和学院vs浦和実業

2010年夏の大会 第92回埼玉大会 2回戦

浦和学院が圧勝発進

先発投手に四番打者とオーダーに1年生を並べた浦和実は初回、狙い通りの攻めを見せる。
2番の金田浩平が四球で歩くと、飯島智也、瀬尾朋也が連打で満塁とし、湯本祐の犠牲フライで先制した。さらに6番の稲垣真吾がレフト線二塁打、7番の佐藤謙司が左中間二塁打で続き、あっというまに4得点を挙げた。

浦和学院の先発・南貴樹は常時130キロ中盤のスピードも、33球中ストライクは半分の17球と制球に苦しんだ。ストレートは高めに抜け、抜けるのを嫌がるあまりひっかけてワンバウンドの球が目立ち、変化球は高めに甘く入ったところを痛打された。今季では数少ない話題の高校生だけに、ネット裏の観客の3分の1がスカウトで埋まるほど注目を集めたが、初回であえなく降板した。
「南はいいときと悪いときの差がはっきりしていますが、悪い方に出ましたね。大会の波を受けてました。初戦で相手もわかっていないし、野手があわてなきゃいいなと思って早めに代えました」。(森士監督)

ただ、初回に4点を失っても浦和学院ナインに慌てた様子はなかった。
相手先発がオーソドックスな右の上手投げの1年生。緊張からかボールが走らないところを確実にとらえた。初回は石田大樹が四球、濱田優太が右中間三塁打で打者2人、7球で1点を返すと、相手失策でさらに1点。3回には2本の長打を含む5安打を集中して一気に逆転。5、6回も四球や暴投などに乗じて加点し、勝負を決めた。
「打てると思った」と森監督も4回まで送りバントなしで通す余裕の采配。昨年からのレギュラーが半分を占め、2年連続春の関東大会を制覇。初回の4失点で慌てないほどチーム力に自信を持っている。

初戦で苦しい試合を経験したいところだったが、結果的に7回コールドの圧勝。7回にはセカンドの濱田が失策を犯すなど気の緩みが見られたことから、試合後に森監督は「お前ら勘違いしてるんじゃねぇ」とナインに喝を入れた。
「終わりよければすべてよしじゃないけど、あれでは次につながりませんから」。(森監督)
組み合わせに恵まれたことから、2戦目以降は準々決勝まで楽に戦えることが予想される。あえて厳しい言葉をかけ、気を緩めさせないということだろう。森監督のインタビュー終了後、報道陣が南らを囲んでいたが、それを安保部長が「すみません」と制してナインは足早に引き揚げた。2年ぶりの夏の甲子園へ。王者が気を引き締めて向かう。

(文=田尻 賢誉


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