2010年07月22日 県営大宮公園球場

川越東vs早大本庄

2010年夏の大会 第92回埼玉大会 5回戦

蘇ったもう一人のエース猪岡の好投でベスト8へ

 この日先攻となった川越東、試合直前に選手たちで円陣を組みストレッチをしながら互いに声をぶつけ合う。
何かデジャブのようなものを感じた。そうこれは3回戦の聖望学園戦への試合の入り方そのものだった。その予感は的中し川越東は鮮やかな先制攻撃をみせる。

 まずは先頭の猿田が四球で出塁する。すると、すぐさま2番城下とエンドランを決め、あっという間に無死1,3塁という形を作る。勝負強い3番鈴木がレフト前タイムリーで続くと、これまであまり当たりの出ていなかった4番高梨までもがライトフェンス直撃のタイムリー2塁打を放ち2者を還す。これで3-0、まさに電光石火の攻撃だった。ただし、その後の無死2塁で5番石塚が犠打を失敗するとその後も続けず1回表の攻撃は3点で終了する。

 左打者の多い川越東は、聖望学園戦の2回途中から、そして、前回の栄北戦と左腕投手に苦しめられてきた。この日早大本庄の先発も判を押したかのように左腕の井田だ。左腕に苦しむ傾向のある川越東にとって左腕を打てるか不安があっただけにこの3点は大きい。

 早大本庄に対し、川越東はこの日主戦の高梨ではなく背番号10をつけた猪岡が先発する。栄北戦は序盤から投球テンポが悪く最後までリズムを掴めず降板した経緯もあり心配された立ち上がりだったが、この試合も同様にテンポが悪くリズムに乗れない。早大本庄の先頭石川を歩かせると次の今井にはレフトへ強烈な当たりを打たれる。だがこの当たりをレフト城下が何とか掴み事なきを得ると、3,4番を連続三振に取り何とか課題の立ち上がりを切り抜ける。

 2回以降投球リズムも良くなり立ち直った川越東・猪岡に対し、早大本庄・井田は5回まで毎回のように先頭打者を出しリズムに乗れない。川越東もそこにつけもうと犠打で2塁まで進め、そこから足を絡め攻め立てるがチャンスで決定打が出ず3点差のまま試合は進む。

 試合が動いたのは6回、5回から代わった安達から2死1塁でこれまで沈黙していた1番猿田が左中間へタイムリー2塁打を放ち4-0。貴重な追加点が川越東に入る。
これで、勢いに乗った川越東は7回には新井、8回にはまたしても猿田にタイムリーが飛び出し6-0と試合を決めた。

 一方の早大本庄も疲れの見え始めた猪岡を攻め8,9回で3点を返しマウンドから引きづり下ろす粘りをみせるが反撃もそこまで。川越東が6-3で逃げ切った。

 川越東はこの試合、栄北戦との一番の違いは5盗塁と足を絡めたことである。しかもすべて左腕・井田からの盗塁である。確かに左投手は右投手と比べクイックで投げる投手が少なく牽制の癖さえ盗んでしまえば盗塁しやすい。このあたりに栄北戦と比べ川越東の攻撃に成長の跡がみられた。

 そして、忘れてはいけないのは猪岡の好投である。昨秋に主戦で投げていた力が今大会まだ発揮できていなかったが、これで今大会計算できる戦力がまた一枚加わった形だ。主戦・高梨の消耗を最小限に抑えることもできる。
当たっていなかったキープレーヤー猿田と高梨にも当たりが飛び出し万全な状態で春日部共栄を迎え撃つ川越東。今後どこまで勝ち上がるか非常に楽しみな存在である。

(文=高校野球情報.com 編集部)


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